本日の日記

試し斬りを

2025年10月25日(土曜日)

日本刀は武器です。
人を斬るための道具です。
日本刀の斬れ味を見るには、人体を使って試し斬りをすることが一番でした。
江戸幕府にあって、試し斬りを行う「お試し御用」と呼ばれる役職がありました。
八代将軍吉宗の時代から代々勤めたのが、山田浅右衛門家でした。
彼らは、試し斬りと、処刑人として斬首する役目も担わされていたのです。
この家の当主は山田浅右衛門の名を受け継ぎ、明治12年まで罪人の処刑を行いました。
最後の当主になった吉亮は、この仕事には「俳諧の心得が求められた」と証言しています。
吉亮は七代目の吉利の息子で、大久保利通の暗殺犯の島田一郎や、明治の毒婦と呼ばれた高橋お伝の処刑を担当したのです。
日本で最後の斬首をされたのが高橋お伝です。
明治13年以降は、絞首刑に改められました。

松原照子印

本日の世見

未開の人たち

2025年10月25日(土曜日)

人類は太古から、魔術や祭祀によって、未知のものの怒りを鎮めようとしてきました。
ミステリー、不可思議、神秘、といった言葉から伝わってくる、未知で広大で雲をつかむような世界には、人々の心を掴む力があります。
オカルト、超能力、呪術、魔術、神霊術、それと夢やUFOも、この不思議なる世界に入ることでしょう。
文明が発達するにしたがって、太古の時代とは違い、文字がミステリーゾーンへの挑戦を始めました。
現在知られているクロマニヨン人は、5万年以上昔の太古と比べ、脳の大きさに変化はないと言われています。
狩猟採集生活を送っていた古代の人々の、呪術に対する考え方は、死者への畏怖、魔術といった思い、強いアニミズム、精霊が棲むという考えがあるようです。
現代でも行われているかは分かりません。
顔から足まで布にくるまり、紐でしばられて床に横たわる「スー族インディアン」の祈祷師が、部屋を暗くして耳を澄ませ、ささやく精霊の声を聞き、指示を仰ぐ‥‥。
新しく成人した「リベリア・ゲレ族」は、顔に塗った黄土の顔料が災厄から彼を守ると信じられていました。
「ギニア・マンディンゴ族」の村人たちが、顔面を不気味に隈取って踊るのは、祖先が恐ろしい神々の扮装をして戦に勝ったと伝えられていることから、それを再現して踊っています。
オーストラリアの原住民「アボリジニ」は、「カラバリ」の祭りで踊る時に体に塗る顔料にも儀式上の意味があるのですが、踊りの振りは複雑です。
未開の人たちの空想の世界には無数の精霊が存在します。その中で、死者の霊ほど勢力が大きく厄介なものはないと思われています。部落には代々亡霊が棲んでいると信じられていて、死者と生者を分ける唯一重要な違いは、肉体のあるなしだけです。
この地球には、現在、未開の人々がどれだけおられるのでしょうか。

松原照子印
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