日本刀は武器です。
人を斬るための道具です。
日本刀の斬れ味を見るには、人体を使って試し斬りをすることが一番でした。
江戸幕府にあって、試し斬りを行う「お試し御用」と呼ばれる役職がありました。
八代将軍吉宗の時代から代々勤めたのが、山田浅右衛門家でした。
彼らは、試し斬りと、処刑人として斬首する役目も担わされていたのです。
この家の当主は山田浅右衛門の名を受け継ぎ、明治12年まで罪人の処刑を行いました。
最後の当主になった吉亮は、この仕事には「俳諧の心得が求められた」と証言しています。
吉亮は七代目の吉利の息子で、大久保利通の暗殺犯の島田一郎や、明治の毒婦と呼ばれた高橋お伝の処刑を担当したのです。
日本で最後の斬首をされたのが高橋お伝です。
明治13年以降は、絞首刑に改められました。







